フリーランス向け 支払い催促メール 例文と5つのポイント
支払い催促メールの書き方
フリーランスとして活動していると、請求した報酬の支払いが遅れるケースに遭遇することがあります。
期日を過ぎても入金がないと、不安や焦りを感じてしまいますよね。
しかし、感情的に催促メールを送ってしまうと、クライアントとの関係が悪化する恐れも。
この記事では、フリーランスの方が、クライアントに失礼なく、かつ効果的に支払いを促すためのメールの書き方と、状況別の例文をご紹介します。
記事の前半では、催促メールを送る前の注意点や、効果的なメールを作成するためのポイントを解説。
後半では、具体的な状況に合わせた例文と、送信後のフォローアップ、さらには今後の遅延を防ぐ対策まで網羅しています。
この記事を読めば、もう支払い催促で悩むことはありません。
ぜひ、あなたのビジネスにお役立てください。
フリーランスが支払い催促メールを送る際の注意点
催促メールを送る前に確認すべきこと
まずは落ち着いて、以下の点を確認しましょう。
請求書の内容に誤りがないか
金額、振込先、支払い期日などに間違いがないか、再度確認します。
契約書に定められた支払い期日を過ぎているか
契約書で取り決めた期日を過ぎているか確認します。
契約書がない場合は、請求書に記載した期日を基準とします。
クライアントの状況
繁忙期や担当者の不在など、クライアント側の事情で遅れている可能性も考慮します。
過去の支払い状況
これまでにも同様の遅延があったか、過去の取引履歴を確認します。
これらの確認を怠ると、誤った催促メールを送ってしまい、クライアントとの信頼関係を損なう可能性があります。
支払いが遅れる主な理由を把握する
支払いが遅れる理由は様々です。
主な理由を把握しておくことで、催促メールの文面や対応を適切に判断できます。
単なるミスや確認漏れ
経理担当者のミスや、請求書の見落としなどが考えられます。
クライアントの資金繰りの悪化
経営状況の悪化により、支払いが困難になっているケースもあります。
請求書の内容に対する疑問や不満
請求内容に不明点があり、確認に時間がかかっている場合もあります。
担当者の不在や多忙
担当者が長期休暇中であったり、業務多忙で対応が遅れている可能性もあります。
相手との関係性を考慮した文面作り
催促メールは、クライアントとの関係性を考慮して、丁寧かつ慎重に作成する必要があります。
新規クライアントの場合
今後の関係構築も視野に入れ、より丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
継続取引のあるクライアントの場合
これまでの関係性を踏まえ、ある程度率直に状況を尋ねても良いでしょう。
ただし、高圧的な態度は避けましょう。
過去に支払い遅延があったクライアントの場合
過去の経緯を踏まえ、再発防止策を提案することも検討しましょう。
関係性別 考慮すべき点
- 相手の立場や状況を理解する: クライアントの状況を理解し、相手に寄り添う姿勢を示すことが重要です。
- 感謝の気持ちを伝える: 支払い遅延に対する催促であっても、まずは日頃の取引に対する感謝の気持ちを伝えましょう。
- 冷静かつ丁寧な言葉遣い: 感情的な表現や高圧的な態度は避け、冷静かつ丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
これらの注意点を踏まえ、次のステップでは、具体的なメールの書き方について解説していきます。
効果的な支払い催促メールの書き方 5つのポイント
フリーランスとして活動する上で、避けて通れないのが支払い催促です。
しかし、催促メールは書き方を間違えると、クライアントとの関係を悪化させる可能性があります。
ここでは、相手に不快感を与えずに支払いを促す、効果的なメールの書き方を5つのポイントに絞って解説します。
件名で用件を明確に伝える
メールの件名は、最初に目に触れる部分です。
件名を見ただけで内容が分かるように、請求に関するメールであることを明確に伝えましょう。
「〇月分のご請求について」や「【重要】お支払いのお願い」など、簡潔かつ具体的に記載することが重要です。
丁寧な言葉遣いと感謝の気持ち
催促メールであっても、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
ビジネスメールとしてのマナーを守り、相手への敬意を忘れずに、いつもお世話になっていることへの感謝の気持ちを添えることで、相手に与える印象が良くなります。
請求内容と支払い期日を再確認
メール本文には、請求内容と支払い期日を明確に記載しましょう。
いつの、何の案件に対する請求なのか、金額はいくらなのか、そして、いつまでに支払ってほしいのかを具体的に示すことで、相手に誤解なく伝えることができます。
記載すべき請求内容例
- 案件名
- 請求金額
- 支払い期日
- 振込先口座情報
支払い方法を具体的に提示
支払い方法についても、具体的に記載しましょう。
銀行振込の場合は、振込先口座情報を正確に記載します。
複数の支払い方法がある場合は、クライアントが選択しやすいように、それぞれの方法を提示すると親切です。
連絡先を明記し質問に備える
メールの最後には、必ず自分の連絡先を明記しましょう。
クライアントが請求内容や支払い方法について質問がある場合に、すぐに連絡できるようにするためです。
電話番号やメールアドレスなど、複数の連絡先を記載しておくと、より丁寧な印象を与えられます。
これらのポイントを踏まえて、実際にどのようなメールを作成すれば良いのでしょうか。
次章では、具体的な状況別の例文をいくつかご紹介します。
状況に合わせて、適切な表現を使い分けましょう。
状況別 支払い催促メールの例文
ここでは、具体的な状況に応じた支払い催促メールの例文をいくつかご紹介します。
状況に合わせて、これらの例文を参考にしながら、ご自身の言葉でアレンジしてみてくださいね。
初めて催促する場合の例文
初めて催促メールを送る際は、相手に不快感を与えないよう、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
支払いが遅れていることに気づいていない可能性も考慮し、あくまで確認というスタンスで連絡することが大切です。
例文：初めて催促する場合
件名：[請求書番号] ご請求の件（[会社名] [氏名]）
[宛先]様
いつもお世話になっております。[あなたの名前]です。
[請求書発行日]に発行いたしました、[請求書番号]の[案件名]に関するご請求について、ご確認のためご連絡いたしました。
本来であれば、[支払い期日]がお支払い期日となっておりましたが、現時点で入金が確認できておりません。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご確認いただき、[支払い予定日]までにお支払いいただけますようお願い申し上げます。
行き違いで既にお支払いいただいている場合は、何卒ご容赦ください。
本メールと行き違いでお振込みいただいておりましたら、大変失礼いたしました。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
この例文では、件名で請求に関する連絡であることを明確にし、本文では丁寧な言葉遣いで状況を説明しています。
支払い期日を過ぎていることを指摘しつつも、相手への配慮を忘れずに、確認を促す内容となっています。
2回目以降の催促メール例文
2回目以降の催促メールでは、前回の連絡から時間が経過していることを踏まえ、少し強めの表現を使うことも検討しましょう。
ただし、感情的な表現は避け、あくまでビジネスライクな文面を保つことが重要です。
例文：2回目以降の催促
件名：【再送】[請求書番号] ご請求の件（[会社名] [氏名]）
[宛先]様
いつもお世話になっております。[あなたの名前]です。
[請求書発行日]に発行いたしました、[請求書番号]の[案件名]に関するご請求について、再度ご連絡いたしました。
[前回の催促メール送信日]にもメールをお送りしましたが、現時点でお支払いを確認できておりません。
お支払い期日は[支払い期日]となっており、既に[遅延日数]日が経過しております。
大変恐縮ではございますが、[支払い予定日]までにお支払いいただけますよう、重ねてお願い申し上げます。
ご事情によりお支払いが遅れている場合は、その旨をご連絡いただけますと幸いです。
今後のお取引にも関わりますので、早急にご対応いただけますようお願い申し上げます。
この例文では、前回の催促メールに言及し、支払いが遅れている状況を再度伝えています。
支払いの遅延が続いていることを明確にしつつも、相手の事情を考慮する姿勢も見せています。
支払い遅延に対する理由を尋ねる例文
支払いが遅れている理由が不明な場合は、理由を尋ねるメールを送ることも有効です。
理由によっては、支払い方法の変更や分割払いなど、柔軟な対応を検討することもできます。
例文：支払い遅延の理由を尋ねる
件名：[請求書番号] ご請求の件（[会社名] [氏名]）
[宛先]様
いつもお世話になっております。[あなたの名前]です。
[請求書発行日]に発行いたしました、[請求書番号]の[案件名]に関するご請求について、ご連絡いたしました。
本来であれば、[支払い期日]がお支払い期日となっておりましたが、現時点で入金が確認できておりません。
何かご事情があってのことと存じますが、お支払いが遅れている理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
ご連絡いただければ、状況に応じて柔軟に対応させていただきたく存じます。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご返信いただけますようお願い申し上げます。
この例文では、支払いが遅れている理由を尋ねることに焦点を当てています。
相手の状況を理解し、適切な対応を取るための情報収集を目的としています。
これらの例文はあくまでテンプレートです。
状況や相手との関係性に応じて、文面を調整してください。
次項では、催促メールを送った後のフォローアップについて解説していきます。
メールを送って終わりではなく、その後の対応も重要になってきますので、ぜひ参考にしてください。
支払い催促メール送信後のフォローアップ
催促メールを送った後も、残念ながらすぐに反応があるとは限りません。
適切なフォローアップで、支払い遅延を解決に導きましょう。
ここでは、メール送信後の具体的なアクションについて解説します。
返信がない場合の対処法
メールを送っても返信がない場合、まずは数日待ってみましょう。
それでも反応がない場合は、以下の方法を検討します。
- リマインドメールを送信: 再度、催促メールを送ります。件名や本文を少し変え、前回とは違う印象を与える工夫も有効です。
- 送信方法を変えてみる: メールだけでなく、チャットツールなど、普段クライアントと連絡を取っている別の方法で連絡を試みます。
- 迷惑メールフォルダの確認を依頼: 丁寧な言葉遣いで、クライアントに迷惑メールフォルダを確認してもらうようお願いするのも一つの方法です。
例文：リマインドメール
件名：【再送】〇月分のご請求書（No. [請求書番号]）について
[クライアント名] 様
いつもお世話になっております。[あなたの名前]です。
先日お送りいたしました、〇月分のご請求書（No. [請求書番号]）につきまして、ご確認いただけましたでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、お支払い期日が過ぎておりますので、ご対応いただけますと幸いです。
行き違いで既にお支払いいただいておりましたら、大変失礼いたしました。
本メールと行き違いでお支払いいただいている場合は、何卒ご容赦ください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
この例文は、以前送ったメールが確認されていない可能性があることを考慮し、再度請求内容を伝えるものです。
「行き違い」という言葉を使うことで、相手への配慮を示しています。
電話連絡のタイミングと注意点
メールで複数回連絡しても反応がない場合は、電話連絡を検討しましょう。
ただし、電話は相手の時間を拘束するため、タイミングには注意が必要です。
連絡する時間帯はクライアントの営業時間内、かつ、忙しくない時間帯（始業直後や終業間際、昼休憩時を避ける）を選びましょう。
また、事前に伝える内容を整理するのも大切です。
簡潔に要件を伝えられるよう、話す内容を事前にまとめておきます。
さらに、丁寧な言葉遣いと冷静な対応も重要です。
感情的にならず、落ち着いて話すように心がけましょう。
電話では、まずメールの確認をお願いし、支払いが遅れている理由を丁寧に尋ねます。
そして、具体的な支払い予定日を確認しましょう。
今後の取引継続の判断基準
支払い遅延は、今後の取引に影響を与える可能性があります。
以下の点を考慮して、今後の取引継続を判断しましょう。
- 遅延の頻度: 過去にも同様の遅延があったかを確認します。
- 遅延理由の説明: 遅延理由が明確で、納得できるものであるか。
- 対応の誠実さ: 連絡に対する反応や、支払いへの対応が誠実であるか。
これらの要素を総合的に判断し、今後の取引継続が難しいと判断した場合は、その旨を丁寧に伝えましょう。
ここまでは、支払い催促メール送信後のフォローアップについて解説しました。
次章では、そもそも支払い遅延を未然に防ぐための対策について見ていきましょう。
フリーランスの請求遅延を防ぐ対策
ここまでは、支払い催促メールの書き方や、その後のフォローアップについて解説してきました。
しかし、催促メールを送ること自体、フリーランスにとっては精神的な負担となることもありますよね。
そこで、このセクションでは、そもそも請求遅延が起こらないようにするための対策をいくつかご紹介します。
これらの対策を講じることで、よりスムーズな取引と安定した収入確保に繋げることができます。
契約書で支払い条件を明確化
まず最も重要なのは、契約書で支払い条件を明確に定めることです。
口約束だけで済ませてしまうと、後々「言った」「言わない」のトラブルに発展する可能性があります。
以下の項目を契約書に盛り込むようにしましょう。
- 報酬額: サービス内容に対する報酬額を明確に記載します。
- 支払い期日: 具体的な日付、または納品後〇日以内といった形で期日を定めます。
- 支払い方法: 銀行振込、クレジットカード払いなど、利用可能な支払い方法を明記します。
- 遅延損害金: 支払い遅延が発生した場合の遅延損害金について定めます。（任意ですが、設定することで抑止力になります。）
- その他: 請求書の発行日や、振込手数料の負担についてなど、必要に応じて追記します。
契約書は、双方の合意内容を明確にするための重要な書類です。
必ず作成し、内容をしっかりと確認するようにしましょう。
請求書発行のリマインダー設定
請求書の発行を忘れてしまう、あるいは遅れてしまうというのも、支払い遅延の原因の一つです。
これを防ぐためには、リマインダーを設定するのが効果的です。
- カレンダーアプリ: Googleカレンダーなどのカレンダーアプリに、請求書発行日をリマインド設定します。
- タスク管理ツール: TrelloやAsanaなどのタスク管理ツールで、請求書発行をタスクとして登録し、期日を設定します。
- 会計ソフト: 会計ソフトの中には、請求書発行のリマインド機能が備わっているものもあります。
自分に合った方法でリマインダーを設定し、請求書の発行漏れを防ぎましょう。
信頼できるクライアントとの取引
継続的に仕事をするクライアントを選ぶ際には、信頼性も重要な判断基準となります。
- 過去の実績: 過去の取引で支払い遅延がなかったか、評判はどうかなどを確認します。
- コミュニケーション: コミュニケーションがスムーズで、こちらの質問や要望に丁寧に対応してくれるかを見ます。
- 契約内容: 契約内容が明確で、こちらの権利が守られているかを確認します。
もちろん、新規のクライアントとの取引を避けるべきというわけではありません。
しかし、特に継続的な取引を考えている場合は、慎重にクライアントを選ぶようにしましょう。
これらの対策を講じることで、請求遅延のリスクを大幅に減らすことができます。
支払い催促メールの書き方と例文 まとめ
この記事では、フリーランスが支払い催促メールを送る際の注意点、効果的な書き方、状況別の例文、フォローアップ、そして請求遅延を防ぐ対策について解説しました。
重要なポイントは以下の3点です。
- 件名で用件を明確に伝え、丁寧な言葉遣いと感謝の気持ちを忘れない。
- 請求内容、支払い期日、支払い方法を具体的に記載する。
- 契約書で支払い条件を明確化し、請求書発行のリマインダーを設定する。
もし、それでも支払いが確認できない場合は、まずはメールで状況を確認してみましょう。
その際は、今回ご紹介した例文を参考に、ご自身の状況に合わせてアレンジしてみてください。
フリーランスとして活動する中で、金銭的なやり取りは避けて通れません。
しかし、適切な対応と事前の対策を行うことで、スムーズな取引を実現できます。
皆様のビジネスが、より一層発展することを心より応援しています。
